縄文がわたしたちに教えてくれること

浮世絵につながるアシンメトリーの構図

縄文と弥生の土器の大きな違いに、華美な装飾と質素な機能性がありますが、もう一つ見逃せない違いがあります。縄文土器はアシンメトリー(左右非対称)になっているものが多くみられるのです。

笹山遺跡 Wikipediaより
弥生式土器 福岡市博物館より

上の写真からも分かるように、弥生式土器が完全なシンメトリーになっているのに対し、縄文は上部分がアシンメトリーです。

縄文土器が動的であるならば、弥生式土器が静的にみえるのは、土器に施されている装飾とこのアシンメトリーのせいでしょう。

たまたま、浮世絵とフランス印象派について調べていたこともあり、もしかするとこの縄文時代のアシンメトリーの構図が浮世絵のそれにつながっているとも考えられそうです。

❝左右不均衡の構図は余白を生み、動きを予感される形式にとらわれない形である。これには日本人の気取らない生活観に満ちた美意識があり、日本人の自然観が息づいているのである。

更に日本美術の非対称の概念は単なる破調や自然を模した不均等ではなく、全体として統一(ユニティー)を希求した、より高次な調和への志向である。❞


「近代西洋美術における日本美術の影響」

土偶もわざと足を折られたものがあり、非対称性を演出しているかのようで、これにはなんらかの意図、それはもしかすると、生命を完全な姿で造形してはいけないといったタブーのようなものが存在した可能性も考えられるとか。

5000年前の独特の自然観が、時代を超えて、今のわたしたちにも息づいているかもしれないと考えると、なんだかワクワクしてきます。

縄文の墓から現代の墓をみる

「縄文にハマる人々」の山岡監督が、そもそも縄文に興味を持ったきっかけが、「子どもの墓を家の入り口の真下に作る例がある」と聞いたからだとか。

しかし、縄文時代後期になると、環状列石などの石を円形に並べた場所ができ、そこを墓地空間として併用していたとみられています。

家の真下から集落へと移っていった墓地ですが、現代の墓地とは違い、生活空間に根差した「場」であり、さらに集落の人々が集う「ステージ」として使っていたとも考えられています。

以前、金沢21世紀美術館で観た「デスラボ」にも共通する、閉ざされた空間ではない、これからの墓地のあり方は、もしかしたら縄文にあるのかもしれない。

生と死の境界がなく、いのちは循環すると考えていたからこそ、円状に配石し、そこは人々が集う場でもあったのです。

また、後期の北陸地方では、木柱を円形に並べた遺構の環状木柱列もでき、そこは墓地とは別空間の祭祀遺跡であった可能性があります。

こうして、後期にいくにしたがって、あらたな祭祀空間ができたことで、土器や土偶を介して生活の場に存在していた祈りは、特別な場で行う儀礼へと変化していったのか、後期の縄文土器には装飾がなくなり、弥生時代へと移ります。


墓をとおして見えてくる現代と縄文

ここまでのまとめとして、墓という観点から、縄文と現代を大ざっぱに比較してみたいと思います。

縄文後期以降のわたしたちの文化には、祭祀的儀礼が浸透しました。葬儀や墓はその象徴でもあります。
しかし、そこに意味を見出すことがむずかしくなってきているのが、現代のわたしたちなのかもしれません。

これまで当たり前とされてきたスタイルに本質的な意味を見出そうとした結果、逆に儀礼的なものへの拒否反応が現れてきたのかもしれない。

現代の墓や葬儀には、宗教的儀礼が存在するものの、逆に言えば、生活に根づいた縄文的な土着感は、その儀礼が壁となってしまい、リアリティーを感じにくくなっているのかもしれません。

でも、そんななかにも、わたしたちと縄文人との間に「共通のなにか」がそこにある気がしてなりません。

映画にも登場した、カオス理論の専門家である東京大学の教授は、人間にはもともと抽象的な図形そのものへの指向性があるのではないかといいます。

これは、縄文人がつくった土器や土偶が対象物や概念を具象化したというより、造形することから概念が生まれた可能性があるというのです。

今のわたしたちの感覚では、「意味」が先にあり、それを具現化したものが「カタチ」であると考えるのが常識ですが、縄文人には、先に造形があり、意味はそこから生まれたものかもしれないというわけです。

カタチが先か。意味が先か。

そこに生きる「人」や「意味」よりも先に「世界(哲学)」というハコや器を作る。
それはまさしく、お墓という造形にわたしがずっと感じてきていることであり、そこにカタチがあるから、それは「あの人」であり、祈りの造形なんだとみなすリアリティーである気がするのです。

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